2011/02/22

<最古の模様に隠された秘密> 6つのタマゴの物語2


<東欧イースターエッグの世界展>開催に向けお届けしている6つのタマゴの物語(プロローグへ 第一話へ)。

今日は、このタマゴ。他のカラフルなタマゴに比べると、茶・黒・白を基調としどこか神秘的な雰囲気が漂います。中央に立っているのは、シャーマンの女性、それを囲むのは繊細な線と蛇腹模様。。。。<イースター>エッグなのに一体なぜ・・

それでは、不思議な模様に隠された秘密にせまりましょう。



このタマゴに隠された謎を読み解く鍵は

このハニワや
これらの土器

日本の縄文時代(新石器時代)のハニワや土器にとても似ていると思いませんか?実は、これらはウクライナのトライピリアン文化遺跡(wikipedia)から出土した、ハニワや土器なのです。トライピリアン文化は、BC5500~BC2750頃、現ウクライナのカルパチア山脈一帯からルーマニアのドニエプル川までの間に広がる3500km2の広大な山脈と草原と森に囲まれた地域で発展した、欧州における最初の文明とも言われている新石器時代の文化です(wikipediaに日本語版がないので、日本ではもしかしたらほとんど知られていないかもしれないです)。


この土器に描かれた線や円、蛇腹模様、ハニワなどは、ウクライナ最古のデザインということができるでしょう。このデザインをウクライナのピサンキ(ウクライナ語でイースターエッグ)アーティストたちがイースターエッグに描き出したのは、比較的最近のコト。自国の起源でもあるデザインを、これも又ウクライナの古い伝統文化であるピサンキ(イースターエッグ)に描くことで、ウクライナという国のアイデンティティを確認しているようでもあります。

描かれているシンボルやモチーフには意味もあります。「蛇腹模様」などで表されている蛇は、厄除。このモチーフを描いたタマゴを伝統的なウクライナの家庭では軒下に埋めて、家内安全を祈ったりもしました。又、タマゴをぐるりと取り巻く「波模様」は終わりも始まりもないことから、永久(とわ)や永遠をあらわしています。その他にも、描かれる動物や幾何学模様にも様々な意味があるんです。

今回<東欧イースターエッグの世界展>に出展しているトライピリアンエッグを作ってくれたのは、ウクライナのピサンキアーティストであるHalyna Kovalenko(ハリナ・コバレンコ)さん。クラクフで去年の夏に行われた民芸フェスティバルで見た彼女の素晴らしいイースターエッグの数々に私は一瞬で目を奪われたのでした。

ダチョウのタマゴに描かれたトライピリアン模様

派手ではないけれど、神秘的で人を引きつける魅力をもつ彼女のトライピリアンエッグは、本当に素晴らしい芸術品です。


企画展では、ウクライナピサンキ(イースターエッグ)のシンボリズムを読み解くより詳しい解説なども用意しています。ウクライナ最古のデザインと神秘、トライピリアンエッグをご覧にぜひ、いらしてください!

<東欧イースターエッグの世界展>詳細:SLOW ART web



次回:ドイツに住むスラブ系の少数民族<ソルブ民族>のコトをご存知ですか?彼らが作る素晴らしいイースターエッグを求めて、西に向かいます。



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